税金の使い方、考え方

立川市の1年間の予算は約790億円(29年度歳入決済)、この他に競輪や下水道、国民健康保険など主に利用者の使用料から成る特別会計を含めると約1,400億円となります。
市の貯金は財政調整基金が約81億、借金は308億で、借金の返済に年38億あてています。立川は地方交付税という国から貰える税金が無いので、自力でやり繰りしなければなりません。
「で、立川の財政は大丈夫なの?」の問いには、数字上は今のところバランスをとって運営されていると言えますが、決して余裕がある状況にはない、と考えています。
  
今、何にお金がかかっていて、これから何にお金が掛かるのか。一例です。
新清掃工場建設、学校など公共施設の改修や建て替え、中学校給食化のための調理場建設、武蔵砂川駅・西国立駅周辺整備 など大きな事業が控えており、当然これらは作って終わりでなく、施設がある限り維持管理費がかかります。その他にも、国民健康保険は保険料で足りない分を税金で補っている額が約20億、介護保険、後期高齢者、下水道へ税金で補っている分を合わせるとおよそ年間80億円に達します。保育料や給食費の未納、納税の未納もあります。このように目には見えにくいところで大きな財源が充てられています。
  
今後の税収見込み。
人口減少、特に働く世代の減少により今後爆発的に税収が増える見通しは立っていません。福祉関係費は今後も伸びることが確実です。税金を払う側より受け取る側の人口が増える事は、一市町村ではコントロールできません。現実を受け入れ、新たな時代をどうやって生き抜くか。
  
以上、現状について触れました。
  
  
議会内には様々な考え方があります。議会にとって「異なる意見」は貴重な財産です。
  
ある方々は「国保料が高い。市の貯金を使えば保険料を下げられる。」と言います。負担が低い方が良いことは同じ思いです。しかし1年きりのことならそれも可能でしょうが、何十年も継続できないことは先の数字で明らかです。ならば、近隣のまちと協力して高齢者への仕事を増やす、働ける環境や体づくりに注力する方が将来性があります。
  
立川駅周辺の歩行者デッキを延伸しエスカレーターを付けろ、という意見もあります。あれば便利でしょう。私も私の両親も買い物後などは使うと思います。しかし当該地は左右に公共のエレベーターと民間施設のエレベーター・エスカレーターがあるのだから、これらを利活用できないものか。とも考えます。民間施設への導線になればWin-Winですし。
 
デッキ延伸を訴える理由は、交通事故防止のため。来訪者増への対応だ、と言います。歩車分離は大賛成です。しかしデッキを作るだけで事故が無くなるとは考えられません。全員がデッキを歩くなら別ですが。来訪者への配慮は良いですが、市を含め誰も来訪者や導線の調査はしていませんから結論は言えませんし、来訪者の回遊性は駅前だけでなく市全体で考えるべきです。
因みに平成4年から始まったデッキ事業には総額88億円が費やされてきました。エスカレーター建設には2.5億円、維持管理に年340万円(光熱費除く)がかかる試算です。
  
一方で、違う側面を見てみると、
・学校の故障した防犯カメラやインターホンを直して安全を高めたい。
・肢体不自由児(者)への介助員、移動支援の充実で学校生活や就業への可能性を広めたい。
・発達障害や育ち、特別支援教育に関わる人員増や勤務時間増により、子どもの発育支援、ひいては学校の質向上につなげたい。
・校務支援システム(事務のデータ化)を導入し校務効率アップと教員負担軽減、情報共有の向上を図りたい。
・通学路危険箇所へのガードレールを設置して交通事故から子供を守りたい。
・電気料金値上げによる自治会管理の防犯灯の維持管理費を軽減して、住民コミュニケーションに予算を充てたい。
・公園の壊れた遊具の更新やキャッチボールできる公園を作りたい。
など、毎年のように要望が上がってきている事項ですが、これらは主に「予算が無い」ことが理由で実現できていません。(※30年度、校務支援システム導入に向けた協議が始まりました。)
  
私自身、子を持つ親となって新たな視点を持ったように、住んでいる地域、家族構成、年齢、性別などで見える景色、必要なこと、欲しいことは異なります。だからこそ、立川市のまちづくりを考えるにあたって何を優先するのか、を考え決めるのが議会に課せられた責任です。その上でもう一つ、市全体の利益という視野を持てるかは大きな鍵になります。地元は大事。でもそれを超えた視野と発想を持ち全体益を考えられなければ、これからの時代を生き抜くことはできないでしょう。
理想は大切ですが、現実を見ていない理想は空論です。
  
「今」つくるものが、「将来」に対してどのくらいの負担があり効果があるのか。
持続可能性はあるのか。
一部ではなく全体の利益になっているか。
特定の利益ではなく苦しんでいる人の助けにないっているか。
 
30年後の市民に胸を張って自分の仕事を伝えられるか。
 
私は、子ども達が学び育つための環境づくり、住民の命に関わることを優先します。