元三重県知事の北川氏によって全国的に広がったと言っても良いと思う「議会改革」。今では全国の議会を比較する「議会改革ランキング」なるものも存在します。ちなみにマニュフェストも同氏が発信元だと思います。
では、議会改革って何を改革するのでしょうか。
私は、議会改革にとって最も重要なことは「議会(議員)の質を上げる」ことだと考えています。もちろん私自身の質を含めて。
議会改革の中で良く耳にするのは、「報酬を減らせ」「人数を減らせ」「政務活動費を減らせ」というものです。
何事も大切なのは「目的」で、「それを実現することで、どういう社会的利益(=目的)が達成されるのか」ということです。
現在活動されている市議選候補予定者の中にも議会改革の目玉として議員報酬の2割カットを訴えている方もいます。
それはそれで否定はしませんが、「2割カットして何が生まれるのか」が見えません。
繰り返しますが、大切なのは「何のために改革をするのか」です。
給与(報酬)を減らす、というのは耳障りが良いかも知れません。しかし減らすことによって何が生まれるのか、について語っている人は多くありません。
私は、議会に対する「○○を減らせ、削れ」という世論の最大の理由は「議会(議員)への不信感」に他ならないと思っています。何をしているのか分からない、TVや新聞では不祥事ばかり取り上げられている、各種報道にも取り上げられない→【こんなに人数必要なの?】というのが本質なのではないでしょうか。ならば、信頼される議会づくりに全力を挙げなければなりません。
議会の中で、発言時間の多さや長さを自慢する、調査不足のまま発言をする、ルールを守らない、「私がやりました」に終始する…などを自ら改め、時間の長さより質疑の中身。行政の監視役として最大限の調査研究をする。考えの異なる28人が集まるのだから発言時間や会議のルールを守る。などは大前提としていなければ、議会(議員)への信頼回復など程遠い話です。
12年前、初当選後最初の議会で「議員報酬の日割り計算」を提案し条例改正に至りました。
きっかけは7月14日から始まった任期に対し月額満額の報酬を受け取ったことでした。事務局へ「間違えてますけど」と伝えると「条例がそうなってますから」と。それまで、1日でも任期があれば月額満額が支払われていた議員報酬ですが、明らかに筋が通らないと思い条例改正に至りました。議会内からは歓迎ばかりではありませんでしたが。
政務活動費は法律上「飲食」に対しても支払えることになっています。
市議会として法律を変えることはできませんが、私は所属会派の幹事長として「会議の中身が何であれ、飲食が伴うものに対して政務活動費は充てない」ことをルール化しました。理由は、総会や新年会など線引きが曖昧になる、つまり絶対に政務活動だと言い切れる場ばかりではないからです。当時は私の会派を含め半分程度が同じ考えでしたが、今では立川市議会として同様のルールを決めるに至りました。
これらは同じ「減らす」でも根本が違うと思っています。目的があるかどうか。お金を使うことが悪なのではなく、何に使うかが問題であり、政務活動費にしろ報酬にしろ明確なルールに則って使用し、それによって議会の質が上がり、ひいては市政向上につながるのであれば、否定されるものではないと思います。