文科相の「身の丈」発言により火が付いた感のある英語民間試験。結果、試験直前で中止(延期)となりました。
不用意な発言はもとより大臣が延期の理由として「受験生におすすめできるシステムになっていない」から、としたことには愕然としました。
「それ、この段階で言う事??」
もっと他に言える言葉は無かったのでしょうか。呆れてしまいました。
先の発言はもとより、個人的には現大臣より以前の大臣の方々の方がよっぽど責任は大きいと思っています。現大臣も本当に「おすすめできない」と思うのであれば直ぐに手を付けるべきでした。もちろん責任が無い訳ではありませんが、あの発言と試験のシステム内容はそもそも別物です。試験についての問題や課題は以前から多く挙げられていた筈です。時間をかけて議論している最中に大臣や関係閣僚であった方々はどう考えているのでしょうか。その方たちの姿が一切見えてこないことにも不信感を抱きます。
何よりも、これまで受験に向けてがんばって来た学生、それを支えてきた家族の気持ちを考えるとやり切れない思いです。英語に限らず試験には知識の他にテクニックも必要になります。それは試験の種類ごとに違う点があります。きっと部活や友達と遊ぶ時間を削って、必死に勉強をしてきた学生がたくさんいます。決して余裕はないけども、子どもの目標にできる限り協力したいという思いで、安くはない塾代や試験料を払ってきた家族の努力があります。英語の勉強自体は無駄にはなりませんが、民間の英語試験のために費やしてきた努力は発揮できない状態になってしまったことは事実でしょう。私にも同世代の息子がいますが、親の立場で考えると腹が立つやら悲しいやら…
そこにきて「おすすめできるシステムになっていない」が中止の理由とは。
もし、今回の「身の丈」発言がなかったら、誰も何も言わず「おすすめできないシステム」のまま試験が始まっていたのかと考えると、あの発言の「おかげ」で見直すことになったのかなと皮肉なことを考えてしまいます。
情けない限りです。